はろの毎日

日々の成長

はろペン自伝 3部 その1

第7章「高校生時代(16歳)前半」

バンダイに入社する」そんな大きな夢を持った俺が進学した高校は県内屈指の工業高校「カギ高」だ。1学年に9学科もあり、多くの企業が求人に訪れるため近年その倍率は上昇中である。家からは少し離れているので、自転車と電車で40分ほどかかる。

俺は将来の夢の他に、もう1つ大きな目標を立てていた。それは「アニメのような高校生活を送る」ことだ。勉強、部活、友人、恋愛...1度しかない高校生活を絶対に無駄にしたくなかった俺はその目標を達成するため様々なプランを事前に考えていた。

そして入学式初日、俺はいきなり”絶望”した。俺の所属する15HRには女子が2人しかいなかったのだ。分かってはいた、分かってはいたのだが流石にその光景を目の当たりにすると恐怖と不安で押し潰されそうになった。これなら中学時代、バスケ部の推薦で呼ばれていた元女子高の「T葉橘高校」へ行った方が良かったのかもしれない。今の俺なら間違いなくそっちへ行くことを優先しただろう。

幸運だったのは、クラスメイトの多くが良いやつだったということだ。当然ながらアニオタがクラスのほとんどを占めていたので、最初こそコミュニケーションに苦戦したものの、一度打ち解けるとそこから色々な話をするようになった。

俺が最初の壁にぶち当たったのは部活選択だ。中学でお世話になった先輩がバスケ部にいたので、俺はK君と一緒に入部することを考えていた。しかし、隣にいた同じく入部するであろう同級生らを見て俺は愕然とした。

俗に言うチャラいやつらがバスケ部に入部することを知った俺は改めて部活について考えてみることにした。多少経験のあるバスケ部か?それとも心機一転新しいスポーツを始めるか?いっそのこと文化部に入るか?どうしようかウジウジ悩んでいた俺は正門前で独特な格好をした先輩に話しかけられた。

その先輩が紹介してくれたのは「弓道部」だ。その練習風景をざっと見た俺は思った。「アニメっぽい!」親にそのことを一通り話した俺は早速弓道部に入部することを決めたのだった。

弓道部といってもいきなり弓を持たしてくれるわけでは無い。俺たち十数人いた1年生は夏休みになるまで毎日筋トレをやらされた。筋トレそのものは嫌いではなかったため不満は無かったが、やたら偉そうな先輩たちが当時の俺は気に入らなかった。その感情が顔に出ていたのか、先輩たちも俺に対して少し冷たかったような気がした。

体育祭を終え、季節は夏になった。ある程度筋肉がついた俺たちは技術のついた者から道場で弓を持たされるようになった。弓道部の顧問は俺の1年次の担任で、ハメを外すことさえ無ければ優しい先生だった。問題なのはもう1人の副顧問だ。どんな先生か簡単に説明すると、怒鳴る、声がデカい、教え方がヘタクソの豪華3点セットというところだろうか。実際、生徒たちの評価も高くなかった。もし仮に先生の人気ランキングをつけるとすればその副顧問はケツから数えた方が早いだろう。

怒られてばかりで、人間関係も上手くいっていなかった俺は部活を辞めたくなった。しかし、辞めたトコロで担任兼顧問との関係は続くので辞めるわけにもいかなかった。

こういう時、「嫌なら辞めちゃえよ」とサラッと言う馬鹿がいるが、そういうヤツは本当に心が無いと思う。そんな馬鹿に言いたいのは「辞めた後の居場所は保障してくれるんだろうな?」だ。

高校生時代(16歳)後半へ続く