はろの毎日

日々の成長

ライブに行った話 その3

異次元フェスから1ヶ月後、俺はまた別のライブで横浜へ向かっていた。今回はニジガク単独の6thライブで、俺にとっては5thライブに続き2回目となるナンバリングのライブであった。

このライブ、メッチャ行きたかったかと聞かれるとぶっちゃけそうでも無かったのだが、去年買ったニジガクOVAの中に先行抽選券が同封されており、「せっかくだからやっとくか」といった軽い気持ちで応募した。

軽い気持ちとは言ったものの、当選したことについては非常にありがたい。ただ、異次元フェスでかなり金を消費し、今回のライブでそこからさらにチケット代、グッズ代、交通費…と引かれたため、その辺りは色々厳しかった。

そんなワケでライブ当日。今回の会場は「Kアリーナ横浜」だ。ここは去年みなとみらいに出来た大型イベントホールで、アンパンマンミュージアムの隣にある。

最初こっちがKアリーナだと思っていた。

で、このKアリーナ、規模としては申し分ないのだが、横浜駅からは結構歩くため、読者の中でもし今後この会場に足を運ぶ方がいるようならば、横浜駅ではなく、より近い「新高島駅」を利用することを勧める。

会場には11時半頃到着した。最低限欲しかったグッズは既に事前物販で済ませていたものの、物販コーナーは割と空いていたので、かすみんのアクリルスタンドとはがきを2枚買った。このはがきについてはまた後で説明する。

 

場内には今後発売されるスケールフィギュアの告知看板、「洋服の青山」とのコラボスーツ等展示されていたが、最も注目を集めていたのはなんといっても個人参加型のイベント「ニジガクのど自慢大会」だろう。

このイベントは今回初の試みとなるもので、事前にエントリーした有志がニジガクの楽曲を力の限り歌い、その愛を聴衆らに証明する”自分が主役”となるイベントだ。

…とまぁここまで書いている分にはとても面白そうなイベントなのだが、スタートを飾った前日、聴衆たちのオタク・コールが尋常じゃないレベルでうるさく、近隣住民から苦情がきてしまい、挙句の果てには警察まで出動するという、もはや公害レベルの状況を引き起こしてしまったのだ。

とはいってもなんやかんや盛況だったのは事実で、2日目となる今日は声出し禁止を条件に開催された。ちなみにその近隣住民とは恐らく写真の向こうに見えるタワマンの住民たちなのだろうが、会場からマンションまでの間には線路、大きな川、河川敷が挟まれおり、まあまあ距離はあるように見えた。どんだけうるさかったんだよ。

一応多くのオタクはそのルールを守ってはいたが、その中にはできないならできないで激しめのオタ芸を炸裂したり、運動会の応援団が持つようなクッッソでかい旗を振りかざしたり、声優の写真集をこれ見よがしに広げ駆け回ったり…と各々工夫しながらイベントを盛り上げていた。まさに”オタク博物館”といった感じだった。

冒頭触れた通り、隣にはアンパンマンミュージアムがあり、そっちが目的で訪れる親子連れも当然いたため、「ママあれなーに」「しっ!見ちゃダメよ!」といった微笑ましい光景も見ることができた。

そんなやかましい会場を離れてすぐにあるのが、ニジガクメンバーとのラブレター交換所だ。

今回のライブは”ファンとメンバーとの愛の交換”がコンセプトであり、このラブレター交換はそれになぞらえてできた企画だ。流れとしては写真にある各メンバーのロッカー内に自分が書いたラブレターを家の住所と一緒に送り、後日自宅にメンバーからの返信が届く…というものだ。気づいた方もいるかもしれないが、そのラブレターとなる用紙が先ほど紹介したはがきなのだ。

返信とはいっても、数万人規模のラブレターひとつひとつに返信を書くなど流石に不可能だろうし、恐らくテンプレの文章を張り付けるだけのチープな企画なのだろうとは想像していたが、せっかく来たので俺もかすみんに向けて一枚ラブレターを書くことにした(もう一枚は予備)。

「愛してます」とかド直球なメッセージはいくらなんでも恥ずかしかったので、「いつも応援してます」「少し早いけど誕生日おめでとう」の二言と、ちょっとした絵を添えてロッカーに投函した。もし身内や友人に中身を見られようものなら確実に笑い者扱いされるだろうが、まぁ自分とかすみん以外に見る人もいないだろうし、そこは大丈夫だと思いたい。親に見られた日にはなんて説明すべきだろうか。

 

あれ?これ実家に届くんだよな?

気づいた時にはもう遅かった。

 

その後はライブが始まるまで近くにある横浜ベイクォーター日産ギャラリー、スーパーマーケット「OK」等をぶらぶら散歩していた。しかし日産ギャラリー以外は時間を潰せるほど見るものも無かったため、結局俺は開場までほとんどの時間を「ニジガクのど自慢大会」で潰していた。多種多様のオタクは見ている分には非常に面白かった。

そして時刻は15時。いよいよ開場だ。俺の座席は最上階とあまりいい席では無かったが、それでも前回の異次元フェスに比べれば幾分かマシに思えた。しかし最上階まで階段で上がるのは結構きつく、上の売店で売られているペットボトル飲料はほぼ全て1本500円という強気な値段設定なので事前に買っておけばよかったと後悔した。一応アクエリアスに限り”特別価格200円”と大々的に書かれていたが、お前よくそんなんで特別価格を名乗れたなと思った。

ライブは17時から始まった。今回用いられる楽曲は去年発売されたOVAで使われた曲、そして同じく去年発売されたニジガクの5thアルバムからのものがほとんどで、この辺を抑えていれば十分楽しめるライブとなっている。また、幕間で流れるメンバー同士の会話はスクフェス2で展開されているストーリーの続きという形で進行している。

この辺の知識は自分からすれば知ってて当然なので、「なんだこの曲」となることは一切無く、最初から最後まで楽しめた。
5thアルバムの曲は全てラブソングで、一部を除きしっとりした曲が中心となっている。それぞれの歌詞も”あなた”へ向けた愛情が伝わるようなフレーズが多用されており、声優たちもここぞとばかりにファンサービスをかっ飛ばしてきたのが印象に残った。メロメロになったオタクもきっといたことだろう。ちなみに自分はというと「この人たちも裏では彼氏といちゃついてるだろうにやってくれるよなぁ」と相変わらずひねくれた考えで見ていた。

彼方ちゃん衣装の鬼頭明里は正直ドキッとした。

最初の自己紹介やライブ終盤にひとりひとり感想を語るシーンでは声優同士の百合営業もとい、いちゃいちゃ展開も繰り広げられ、何かあるたびにフロア内からは歓声が沸いた。本人らは営業のつもりだろうが、そういうシーンにオタクはホイホイ流されるため、声優とは本当に罪な存在だなぁと思った。

とまぁここまでだけなら「こいつ本当に楽しめたのか?」となるかもしれないが、曲に関してはどれも本当に素晴らしかった。アルバム曲からは桜坂しずくの歌う、本人らしからぬ曲「小悪魔LOVE」や上原歩夢らしい、歌詞がやたら重い曲「Walking Dream」で場は盛り上がった。この他にもOVAの楽曲、年明け最初のライブということもあって用意された新年ソング「Happy Nyan Days」、来週発売されるシングル「New Years March!」…と、ここ1年のニジガク楽曲がこれでもかといわんばかりに流れた。まさに至れり尽くせりといった感じであった。

そして時刻は21時。最後にアルバムのメイン曲であり、メンバー全員が歌う「Fly With You!」を幕引きに、ライブは終了した。あっという間の4時間だった。余韻に浸っていたいところだが、翌日は朝からバイトがあるため急いで横浜駅へ向かった。

 

これは前回の記事でも触れたことだが、自分が参加する現地ライブはこれが最後になる…と思う。というのも俺は今年大学を卒業し、晴れて社会人となるのだ。自由に時間を使える大学生とは違い、社会に出て仕事をすれば例え休日といえど遊びに行けるようなバイタリティは自分には絶対無いと思う。まぁまだ実際に働いてもいないのでその辺は何とも言えないのだが…

理由はそれだけではない。むしろこっちが本心なのだが、自分も社会人になるのをいい機会に、オタク・ライフからいい加減足を引こうと思っているのだ。こういった趣味は学生のうちなら”若気の至り”で済むかもしれないが、社会人にもなってアニメアニメ言っているのは流石にどうかと思う。「アニメ」が好きならまだしも「声優」は特にマズい。これ以上深入りする前にとっとと切り捨てることが先決かもしれない。

といったものの、今後開催されるイベントで会場が静岡県内のどこかだった時にはもしかしたらぬるっと参加するかもしれない。まぁその時はその時だ。