はろの毎日

日々の成長

はろペン自伝 第4部 その5

第5章 説明会 in アキバ

 11月某日、時刻は朝10時。俺はこの日開催される合同説明会に参加するため秋葉原に来ていた。前日は同じく都内にある兄貴の家に泊まり、朝早くの電車に乗ってきたため、時間にはかなり余裕があった。

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 会場は駅前近くにあるUDX。ここはイベントスペースのほかにレストランやアニメグッズのお店も備えている大型のビルで、直接入ったことがない人でも秋葉原によく行くようであれば名前くらいは聞いたことがあると思う。

 ちなみにこのUDX、俺の好きなあるアイドルアニメにて、主人公たちのライバルとなるチームが通う高校のモデルとしても広く知られている。そのアイドルアニメとは…

 

そう、ラブライブ!」である。

 ラブライブとは何か…それは最早言うまでもないだろう。女の子たちが歌って踊ってワイワイするアニメだ。シリーズ第1作となる「ラブライブ!」は主に秋葉原が舞台となっている。ただ秋葉原は聖地…というよりは観光地としての知名度の方が高いため、沼津とは違い街中ラブライブ一色というワケではない。かつて賑わっていた神田明神も本放送から10年経った今、その人気はだいぶ落ち着いている。

 ただ、たまたまこの時BSでラブライブが再放送しており、毎週見ていた自分にとってはまさにベストなタイミングだった。

 

 話を戻そう。今回は以前説明した通り、物流企業のみの合同説明会である。物流企業というと、静岡県であれば清水で活動する某サッカーチームのスポンサーが真っ先に浮かぶと思う。正直なところ、この時の自分はそこと他2社程度しかそういった企業は思い浮かばなかった。また、物流業界が抱えている2024年問題だとかそういった知識にも俺は疎かった。そのため他の参加者に遅れをとってしまうのではないかと少し心配だった。

 しかし意外や意外、参加した企業はほとんどが自分の知っている場所だった。というのも、来ていた企業のほとんどは自分のイメージしていた”物流をメインとした会社”、というより”別の事業を主軸とした会社の物流部門”(例 :某鉄道会社や某食品会社の物流部門)だったため、俺のような人間でもすんなり溶け込むことができた。

    会場の規模はやや小さめといった感じだった。少なくとも前回のグランシップよりは小さいと思う。それでも参加している企業はほぼ全て全国展開しているところだったため、充実感はあった。

  その日は6社ほど見て回ったが、個人的に一番印象に残ったのは某ロボットアニメのプラモデルを製造する企業”B社”の物流部門のブースだった。

    この自伝を第1部から読んでいる方は何となくピンとくるかもしれない。そこはかつて俺が目指していた企業だった。とはいえ別に今更心残りがあるわけではない。そのブースに入ったのは右も左もよくわからなかった開始直後、一番とっつきやすかった企業だったからだ。

 B者の物流部門は直接おもちゃの製造に携わることはできないものの、なんとなくやりがいはありそうな場所だと思った。ただインターンが色々めんどくさそうだったため結局その場のみの関係で終わった。

 会場を出たのは1時過ぎだっただろうか。開始時刻からいた人間の中では俺の滞在時間は長かった方だと思う。午後はメイド喫茶の下にある富士そばで昼飯を食い、その後は兄貴と一緒にトレカやパソコンパーツを物色して1日を終えた。

 …俺はこの日の説明会で何か得るものがあったのだろうか?物流の世界に全く無知だった最初に比べれば多少の関心こそ持ったものの、所詮それまでだった。そもそも運転がド下手な俺が物流の世界でトラックの運ちゃんとして働けるわけがないし、仮にエントリーしたとして、就活で一番のポイントとなる”志望理由”が全く書けそうに無かった。そんなわけで今回参加した企業のインターンはどこも行くことは無かった。

 

 そこから2ヶ月後、ついに俺にとって勝負の年となる2023年が幕を開けた。就活に関して少し前まで達観していた俺も、この辺りからだんだん焦りがでてくるようになった。

   何度も言うがこれはあくまで自分の”保険”を探すための活動で、無理に企業を選ぶ必要はないのだ。だがこうも自分にとって面白いと思える仕事に出会えないとなると流石に少し不安になる。

 次に俺が動き出したのは年が明けてすぐ開催されたマイ◯ビ主催の合同企業説明会。そこは誰もが知るような超大手企業がジャンル問わず参加してくるため、全国最大級の規模といっても過言ではない。そんな大きな戦いの場に参戦した俺だが、今度は一人ではなく兄貴も一緒だった。

開催場所は有明にある東京国際展示場。一般的に"東京ビッグサイト"と呼ばれる場所である。