はろの毎日

日々の成長

はろペン自伝 3部 その4

第8章「高校生時代(17歳)Bパート」

突然だが皆さんは企業を選ぶ際、何を重視するだろうか?

ほとんどの人が給料、もしくは休日と答えるであろうその質問に対する俺の答えはただ1つ、「やりがい」だ。俺自身、いくら福利厚生に恵まれていようとその仕事が楽しいと思えなければ駄目だと思っている。今でもその思想はブレていない。当時の俺はそれが当たり前の事だと思っていたのだが、クラスの皆は違っていた。

バンダイを否定され、いくつかの企業を紹介された俺だがその中にピンと来るものは一切と言っていいほど無かった。カギ校は県内各地から求人が殺到するので優良企業も数多く記載されていたのだが、将来自分がそこで働く姿を想像すると吐き気がした。そしてそんなことを気にせずなんとなくで企業を選択する周りの連中に俺は嫌気がさしたのであった。

しょうがないので俺はこの年の秋頃から進学を検討することにした。ただし、もし来年バンダイから求人が来るようであれば先生の指図無しにそっちへ行こうとも考えていた。

最初に俺がオープンキャンパスで訪れたのは「静岡理工科大学」だ。愛野にあり、通学面では高校より近い。特にこれといって見たいものは無かったので大学というものがどんなところなのかを俺はそこで学ぶことにした。しかし、そのオープンキャンパスで俺は大学に対してトラウマを持つのだった。

駅から大学まではバスが迎えに来てくれる。その大学はレベルこそ低いものの、県内ではそこそこ名の知れた大学なのでさぞかし多くの人が見学に来るだろうと俺はバスのホームで考えていた。だが、あろうことかバスに乗車した客は俺一人だけだった。不安に苛まれながらも大学に着けば誰かいるだろうと俺は自分に言い聞かせていた。

揺られることおよそ15分、バスは大学に到着した。その時俺は自分の目を疑った。だだっ広い大学に見学に来た客は俺含め5人程度しかいなかったのである。誰もおらず明かりもついていない大学を見て俺はホラー映画のセットだと勘違いするほどだった。

なんだかんだ見学ツアーは一通り回ったが、興味がそそられるものは何も無かった。「本当に大学って楽しいのか?」そんなことを思いながら俺は誰一人いない広い食堂で定食を食べるのだった。

結局午後も何が起きるワケもなく1日が終わった。大学に大きな不信感を持った俺は二度とオープンキャンパスになんか行くもんかと思った。

そして数か月後、クラスのK田が「神奈川工科大学」のオープンキャンパスに行くということを小耳に挟んだ。大学にはもう行きたくなかった俺だったが、何かしらアクションを起こさないとまた担任に色々言われるので仕方なく俺もそこへ行くことにした。

神奈川工科大学は前回のクソ大学と違い、見学に来る客はたくさんいた。しかも、大学内はとても綺麗で好印象だった。そこは情報系に富んだ大学で、大手ゲーム会社にも何人かの学生を排出しているらしい。授業概要を聞いた俺はここに行くのもアリなんじゃないかと少し思った。

ただ、俺の印象とは裏腹に親はあまりいい顔をしなかった。「なんとなくゲームが好きだから」こんなフザけた理由で子供を大学へ行かせるもんかといった感じだった。そりゃそうだ、そんな奴がそこへ行ったってマトモな企業へは行けはしないだろう。俺の進路選択は振り出しへ戻ってしまった。まだまだ俺の戦いは続くのである。

高校生時代(17歳)Cパートへ続く