はろの毎日

日々の成長

はろペン自伝 第4部 その4

第4章 インターンシップ

 早朝6時、天気はあいにくの雨。その日の参加者は俺含め5人で、全員T海大生だった。その中の女子に「あ、いつもモルカーのぬいぐるみつけてる人だよね?」と言われた時は少しドキッとした。

 インターンはまず最初にS社の歴史と沼津市との繋がりについてを本社内の会議室で聞き、その後沼津港へ行って実際の現場を見て回った。競りをイメージすると分かりやすいと思うが、港湾の仕事は基本朝早くに行われる。集合時間が早かった理由はこのためだ。

 仕事内容については細かく言えないので割愛するが、活気があって楽しそうな職場だった。ただ、勤務開始時間が朝早く…というか最早深夜ともいえるレベルで早すぎるため、その辺はちょっと厳しいかな…と思った。

 インターンは11時頃に終わった。その後は沼津港で適当に昼ご飯を食べ、少し歩き回った後沼津駅前に戻った。S社がサービスを利かせてくれたこともあって、沼津港でかなり時間を潰すことができた。お昼は深海水族館の隣にある「沼津バーガー」で食べた。アニメに出てきた場所ということもあって、店内はラブライブ一色だった。画像画像

 沼津を離れたのはだいたい2時頃だったと思う。2日間の思い出はほとんどラブライブで染まっていたため、インターンについての記憶は家に着いた時には既に薄れつつあった。

 S社の感想としては、大学で学んだことを活かせる…という点については凄く良かったのだが、水産業界なら他にもっといい場所が見つかるのではないかと思った。また、自分としては沼津のみにならず、もっと広い場所で働きたいと考えていたため、今後の選考については見送ることにした。

 

 そこから2か月間、俺の就職活動に大きな動きは無かった。理由としては”インターンに行った”という実績を確保した当時、もう急いで何かをすることは無いと達観していたからだと思う。動くにしても来年からでいいやと思っていた。高校の同級生や院生として就活をしている兄貴は何社もインターンを受けていたのだが、自分はあくまで保険なうえ、希望する分野も全く違うため、特に慌てたり悲観的になることは無かった。

 動きがあったのは11月だった。俺が単位を埋めるためだけに取ったある講義で、物流業界が集まる企業説明会が近々開催されるという話を聞いた。

 物流業界には正直全然興味は無かったし、主催もよく分からないところがやっていたため、ふーんといった感じで聞いていたのだが、開催場所を聞いた瞬間、俺の目の色が変わった。

「開催場所なんだけど…秋葉原でやるみたいだね」

…これは行くしかないだろう。俺は講義終了後すぐに説明会の予約を入れた。

 開催場所が理由で参加した説明会だが、何かしらの出会いがもしかしたらあるかもしれない。俺は期待に胸躍らせながらその日を待つのだった。

続く