はろの毎日

日々の成長

はろペン自伝 第4部 その2

第2章 合同企業説明会

 2022年6月某日。俺はグランシップで開催される合同企業説明会に参加していた。会場内は多くの就活生と社員の方々で賑わっていた。真面目な就活生なら事前にどんな企業がやってくるのか調べておくのだが、俺は例によってそういったことには一切興味は無く、企業説明会の雰囲気を味わって見たかっただけなので、何も調べずに来た。当然手ぶらだ。

 ただ、私服で来てしまったのは正直やっちまったと思った。別にスーツを着ていない学生は俺だけでは無かったが、印象としてはよろしくなかっただろうなと今でも思っている。

 その日参加していた企業は静岡県内では有名なスーパーマーケットや地方銀行、ドラッグストアなどだった。大手では無いにしてもそれなりに安泰した企業ってところだろうか。ひとつ残念だったのは俺の専門分野である水産系の企業が全く来ていなかったことだった。まぁ水産を学んでいる学生なんて全体からすればUR級の存在なので仕方無いのかもしれない。

 流れとしては最初に全体説明があり、その後各自興味のある企業のブースへ移動。そこで30分説明を受けた後、別の企業のブースへまた移動。それを終了時刻まで繰り返し行い、満足いった人から自由退出…といった感じだった。以降も今回のような説明会に数回参加するのだが、基本的な流れはこれと同じである。

 全体説明終了後、行く当ても無かった俺はとりあえず地元でお世話になってる某大型ショッピングセンターのブースに行くことにした。深く考えず、ふらっと立ち寄ったこの企業だが、1年後、就職活動本番で深いつながりを持つということをこの時の俺はまだ知る由もなかった。

 その後はジャンルは問わず、とにかく自分の聞いたことのある企業を4件ほど回った。1つは社員の勧誘で入った土木関係の企業だったが、心の底から興味が無かったため、とても眠かった。

 全体の感想としては、”どの企業も自分が働いているビジョンが全く浮かばない”という感じだった。例えばドラッグストアは少子高齢化が進んでいく今後、間違いなく必要とされる存在であるため、今後の業績は上がっていくだろう。だが、果たして奨学金をもらって大学に入った人間の就職先がドラッグストアのレジ打ちや品出し担当で良いのだろうか。水族館の保険とはいえ、もっと格好のつく企業はあるはずではないだろうか。ほかの企業もだいたい同じような考えが浮かんだ。どの企業も決まって最後にインターンの日程を教えてくれたのだが、そんな企業のインターンなど行く価値もないと思ったので聞かなかった。

 今回は規模の小さい説明会なうえ、参加した企業も静岡県を中心に活動しているものなので、まぁこんなもんなんだろうなと思った。とりあえず合同企業説明会がどういった雰囲気なのかを味わえただけでも得るものはあったと思う。

 そんなこんなでその日の説明会は幕を閉じた。その後も県内各地で今回と同じような説明会がちょくちょく行われていたのだが、もう何も得るものはないだろうと思ったので、参加はしなかった。インターンについても時間の無駄と判断し、エントリーすることは無かった。

 

 そこから1ヶ月近く経っただろうか。あの日の説明会以降特に目立った活動はせず、気が付けば夏休みを迎えていた。夏休みが始まって2日3日が経った頃、俺にとっては2度目となるzoomの就職ガイダンスが行われた。その日のガイダンスはT海大生のインターン参加者が多い企業をいくつか紹介してくれた。やはりというか水産系の企業が大半を占めていた。この時の俺はインターンにまだ一度も参加しておらず、少し焦りがあったため、水産系だったら一つや二つ参加してみるのもアリかな…という気持ちがあった。

 というワケで俺はその中から日本の水産業界大手ともいえるN社と、沼津市を拠点に活動するS社のインターンにエントリーした。参加者が抽選制だったN社については残念ながら落選してしまったが、S社の方は8月末に現地へ行くことが決まった。詳しくは次回説明するが、俺にとって沼津は色々お世話になってる場所であるため、この時の俺は少しワクワクしていた。

続く