はろの毎日

日々の成長

はろペン 武勇激闘録 その4

大瀬崎。それは沼津市の西浦にある岬であり、ダイバーであれば知らない人はいない名所中の名所である。また、「ラブライブ!サンシャイン!!」における聖地の1つとしても一部ファンから知られている(アニメ本編に出たワケでは無いが、雑誌等の背景に使用されたことがある)。…まぁ、俺はこっちの印象の方が強い。

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大瀬崎には観光で何回か訪れたこともあり、個人的にとても美しい場所だと思っている。だが”この日”だけはそのような感情は一切といっていいほど湧かなかった。そう、”この日”とは俺が初めて海でダイビングをする日、即ちOWD(オープン・ウォーター・ダイビング)のライセンスを獲得する日である。

集合時間は非常に早かった。朝6時、清水駅前にオーナーさんが車を出してくれるということなので、朝4時くらいに起床する必要があったのだ。オーナーさんとは、俺たちにダイビングのことを指導してくれる、いわば顧問のような存在だ。電車はまだ動いていなかったので、親に送迎してもらった。一緒に潜るメンバーは俺と友人のT田、そして1年2人の計4人だ。付き添いに先輩が1人来てくれた。

2時間くらいかけて現地に到着。その後機材の準備や動作チェックなどをして、いざ出陣というかたちになった。今回はライセンス取得のための講習なので、ゆったり楽しくダイビングというワケにはいかない。事前に何をするかの説明をオーナーさんがしてくれたのだが、この時の俺は頭が真っ白だったため、何一つ内容は入ってこなかった。重たい酸素ボンベと、通気性もクソも無いウェットスーツのせいで汗だくだくの俺はついに海の中へ突入した。

大瀬崎は砂浜のため、いきなり深い場所へは到達しない。夏なのに冷たい海をずんずん進んでいき、海面が自分の首元付近まで近づいた頃、水中に「クサフグ」が見えた。コイツが俺のダイビング人生で初めて見た魚だ。ダイバーからしても、釣り人からしても全然珍しくない魚ではあるが、海と縁のない場所で育った俺にとってはそのクサフグが輝いて見えた。

その瞬間、今まであった緊張感は無くなり、プール講習で行った練習を1つ1つ思い出したのちになんとか海中に潜水することが出来た。

水族館の大型水槽のように一度にたくさんの魚が見えることは無かったが、自分の目の前を魚が通過する景色はダイビングをしないと得られない経験であろう。驚きと興奮でいっぱいだった俺は課題もちゃくちゃくこなしていった。

言い忘れていたが、OWDのライセンスは2日間、計4回潜ることで獲得できる。この2日間、イセエビやクエ、俺の大好きなカクレクマノミの他、ツバメウオというレアな魚にも会うことが出来た。特に他を寄せ付けず海面付近をゆったり泳ぐツバメウオには本当に感動した。そのフォルムもとにかく凄いので、知らない人は是非調べてほしい。しつこいようだが”マジで”感動したので。

大瀬崎にはたくさんの人工物が海に沈められている。これは別にゴミのポイ捨てとかでは無く、魚に住処を提供するため、あえて沈めているらしいのだ。朝や夜にはそこに珍しい魚も稀にやってくるため、オーナーさんはしょっちゅう訪れているらしい。

…多少の失敗はあったものの、一通りの課題は終わり見事俺たちはOWDのライセンスを獲得することが出来た。あっという間の2日間だった。

 

恐らく、いや確実に俺がK洋学部に進学していなかったらダイビングと出会うことは無かったと思う。ダイビングは就職してからでも出来ないことは無いが、きっと今ほどの興奮やワクワクは感じられ無かっただろう。本当にTORITONに入って良かったと心の底から実感した。後押ししてくれた友人たちには感謝している。

ダイビングの”楽しさ”を知った俺はこの後OWDの1つ上のランクAOW「アドバンスド・オープン・ウォーター」のライセンスも獲得するのだが、それはまた別のお話…