はろの毎日

日々の成長

ライブに行った話

9月17日、俺はこの日虹ヶ咲の5thライブを見るために東京へ行った。虹ヶ咲というのはかの有名なラブライブシリーズの一つである。細かく説明するとキリが無いので省くが、簡単に言えばシリーズの中でも外伝的な位置にある作品だ。ここ数年見たアニメの中でもトップレベルに面白かったので気になっている人がいたら是非見てほしい。(1期は見なくていいよ)

俺は現在このブルーレイを毎月購入しており、その中にこのライブの抽選券が入っていたため兄貴の名前と一緒に応募した。倍率がとてつもなく高かったらしいので半ば諦め状態ではあったが、幸運にも当選してしまったのである。

俺が当選した日は全4公演ある内の3日目。1日目と2日目は有明で、3日目と4日目は武蔵野で行われる。前半の有明会場はアニメ最終話の舞台となった場所なので、欲を言えばそっちの方が良かったのだがこのライブの存在を知ったのが前半の抽選が既に終わった後だったので文句は言えない。

当日、早朝のバイトを終えた俺はすぐさま新幹線で東京へ向かった。会場である「武蔵野の森 総合スポーツプラザ」がどんな場所なのか想像がつかなかったが、ギリギリ東京都なのでそれなりに都会なんだろうなぁと期待してたし、開場までどこ行こうかなぁなど考えていた。

事前物販は既に指定した時間に商品を受け取る手配が済んでおり、買い忘れた商品については東京在住の兄貴が朝から並んでくれたお陰で手に入った。予約時間までは兄貴との待ち合わせ場所である調布駅に降りてブックオフ遊戯王のカードを見たり日高屋で飯を食うなどして時間を潰した。

そして会場の最寄り駅である「飛田給駅」に降りた時、俺は衝撃を受けた。クソ田舎だったからだ。駅構内にアトレなんて当然無いし、飲食店すら無い。形としては藤枝駅に近いだろうか。いやむしろキオスクがあるだけ藤枝駅の方がマシでは無いだろうか。駅を降りると100円ローソン、マック、日高屋がある。日高屋があることでなんとか東京都の威厳は保たれているものの、それが無かったら藤枝駅以下だ。

会場には既に何人ものオタクがスタンバイしていた。グッズを買う者、ぬいぐるみの写真を撮る者、ガチャで出た缶バッジのトレードをしている者…こういう雰囲気は正直苦手である。

先ほど有明の方が良かったと言ったが、何も武蔵野会場の全てが残念だったワケでは無い。というのもこの日の公演から近日予約が解禁される「桜坂しずく」のスケールフィギュアの彩色見本が初めて展示されるのだ。会場ではこれ見たさに長い行列が出来ていた…皆ケツばかり眺めていた。

開演までまだ全然時間はあったが、見る場所など何もなかったので俺は兄貴と一緒にオタク観察をしていた。兄貴は兄貴でガチャで出た缶バッジのトレードもしていた。兄貴のコミュ力は凄いと思う。

俺は現地ライブに訪れるのはこれが2回目だ。ちなみに前回はプリパラのライブだった。ラブライブのオタクといえば男しかいないイメージだったのだが、意外や意外、女性ファンも結構いたのである。男性の方も所謂"チー牛顔"でなくバッチバチに決めてきた、いかにも陽キャな二ィちゃん達がざらにいた。…正直そういう人達がオタクを名乗るのはやめてほしいと思ってる。だらしない恰好こそオタクの正装であるはずだからだ。

そして17時、開場。アクセスが集中してしまったためチケットを見せるのにやや時間がかかったが、なんとか座席に座ることが出来た。場所はステージから見て右側の4階席。近くも無く遠くも無くといった場所ではあったが、音響設備が邪魔でステージ上にあるモニターの画面左半分が見えなかった。しかしトイレが近くにあったのと俺の席の左隣が通路になっていたためオタク・サンドイッチにならなかったのが良かった。

公演は言わずもがな、素晴らしいものであった。アニメ2期のストーリーに合わせた演出と楽曲、さらに1期の楽曲と2日目の公演で話題になった繚乱、スクスタにて最近公開された新曲…あっという間の3時間だった。

ライブの合間に声優陣の自己紹介やライブの感想など語り合うパートがあるのだが、時々ウケを狙ったであろう演出がある。俺の場合は心の中で「ハハハ…」となるだけなのだが、そういう場面で笑いを抑えきれず声に出してしまうオタクがぽつぽついる。その人を馬鹿にするつもりは無いのだが、そういう生き方が出来る人間は正直羨ましい。さぞ幸せなオタク・ライフを送っていることだろう。

コロナ過ということもあってライブ中のコールは禁止されている。基本的にペンライトをフリフリしているだけだ。殆どの曲はリズムに合わせて振れば様になるのだが、一部の曲には特徴的な振り方みたいなものがあるので初見には厳しい場面がある。ただ中にはペンライトを持たず、手拍子で盛り上げる連中もいたのでうるさかった。前の席にいたおっちゃんがそれに耐えきれなかったのか注意してたのが印象に残った。

これは俺の中にずっとある疑問なのだが、俺たち”観る側”は壇上で踊っている声優を見て「可愛い」や「頑張れ」など色々な思いを持つだろう。まずマイナスな感想は抱かないはずだ。しかし声優側からすればどうだろうか?客席にいるオタクを見て「あいつキモw」とか「チー牛しかいなくて草」とか思っているのだろうか?現実にいる声優を見るとそういう邪な疑問がどうしても俺の中に浮かんでしまうため、ライブ中もふと我に返ることが多々あった。

21時に公演は終わり、オタクの一斉帰宅ラッシュが始まった。乗り換えに詳しい兄貴の指導のもと、オタク・満員電車に乗る事は避けられたのだが、やや遠回りな帰宅だったため、兄貴の家に着いた頃には時計は23時を過ぎていた。夕飯は豪勢にしてこいと家族に言われたものの、そんな時間ではもう飲み屋しかやっていないので結局その日の夕飯は近所にあるサミットの半額弁当で済ませた。ただ、ライブの感想など二人で語り合いながら細々食べる半額弁当は値段以上のおいしさがあった。

 

ここまで読んでくれた人なら分かるだろうが、俺は人の視線を凄く気にするタイプの人間だ。正直ライブなどの大きなイベントには向いていない存在だろうと自分でも思う。ただそんな自分にもオタクとしてのプライドというか誇りみたいなものはある。特にアイドルアニメとなれば現地に行って応援してこそ真のファンだろうみたいなイメージがあるので、そこに恐怖感や孤独感があろうともやっぱり行きたくなるものなのだ。

おしまい