はろの毎日

日々の成長

はろペン 武勇激闘録 その3

Re:ゼロから始めるダイビング

大学生活1年目を終えた俺。コロナの影響で大学に通うことは殆ど無かったため、これといった感想も思い出も身に付いた技術も無いまま俺は2年生になってしまった。

果たしてこれでよかったのだろうか?もしかしたら何かやれたことがあったのでは?こういった歯痒さが俺の中から抜けることは無かった。

…努力して入学したT海大学だ。やはり何も経験しないで卒業するのは俺の性に合わない。この時俺はある一大決心をすることになった。

それは「サークル」に入ることだった。1年次は感染防止という観点から各サークルは表立った活動をしていなかったため、恐らくサークルの存在そのものを知らなかった学生も多かっただろう。俺もその一人なのだから。

サークルはバスケ、テニス、バレーなど一般的なものから釣り、サーフィン等K洋学部ならではのものもある。その中で俺が選んだのはダイビングサークル「TORITON」だ。K洋学部のダイビングサークルは2つあり、お互いがお互いのことを敵対視しているようだが、まぁその辺は触れないでおく。

友人らの後押しもあって、俺は早速5月に開催されたサークル説明会(Zoom)に参加した。

先輩方の話を聞き、俺はますますダイビングをしてみたいという意思が強くなった。しかしダイビングというものはとにかくお金がかかる。俺と兄貴の学費でジリ貧生活を過ごしている家族にこのことを話すのは少し抵抗があった。

1年間こつこつアルバイトをしてきたこともあり、諸々の費用は俺の口座で賄えることが判明した。俺は両親に「全て俺のバイト代から出す」ということを強調したのち、サークルに加入することを伝えた。両親は特に何かを言及することは無く、「あんたがやりたいなら別にいいよ」と言ってくれた。こうして俺はTORITONのメンバーとなったのだ。

加入したからとはいっても、いきなり海へレッツゴーというワケにはいかない。まずはテキストで機材などの知識を学んだあと、プールで呼吸の仕方や泳ぎ方を学ぶという手順を踏まえる必要がある。このプール演習で初めて本格的にウェットスーツを着て、機材を背負って潜るのだがこれがまた大変だった。酸素ボンベはクッソ重いし、足ヒレはとにかく歩きづらい。そして水中で息をするというこれまでに経験した事のない出来事に俺はただただ困惑するばかりであった。底の浅いプールだったからまだ良かったものの、これが海だったら確実に死んでいただろう。果たして俺にやれるのだろうか…半ば勢いで入ったダイビングサークル。俺は少し心配であった。

しれっと触れたウェットスーツだが、こいつもまぁ金がかかるのだ。一応レンタルで借りることも出来るため、人によっては機材においては何も費用を出さず、参加費だけで済ますこともできる。俺も慣れるまではそうしたかったのだが、レンタルできるウェットスーツに俺のサイズに見合ったものが無かったため、買わざるを得ない状況となってしまった。それどころか、購入できるウェットスーツの中でさえも俺に合う規格が無かったため、完全オーダーメイドのものを購入することになってしまったのだ。当然費用は通常以上にかかる。確か6万は越えたかな…こんなにお金を出したのは人生初である。

ということでプール講習を終えた俺たちが次に向かうのは大瀬崎。ついに実際の海に潜って講習だ。期待1割不安9割の俺は恐れおののきながらその日を迎えるのであった…

続く