はろの毎日

日々の成長

はろペン自伝 第4部 その1

プロローグ

 時は2023年。人類は数年前に発生したパンデミックの脅威から解放されつつありながらも、止まらない値上げや円安、超高齢化社会など様々な困難と戦い続ける日々を送っている。そしてここに一人、”就職活動”という大きな戦いを今まさに迎えようとしている若者の姿があった。その人物の名は「はろペン」という。

 

第1章 就職活動の始まり

 2022年4月。俺、はろペンは大学3年生になった。これまでの2年間はちょいちょいサークル活動をしながらも、ひたすら単位を取り続ける日々を過ごしていた。コロナ過で色々制限されていた…というのも理由の一つだが、その間特に大きな出会いや人生の転換期などは無かった。

 3年生の最初に行われたガイダンスで「今年から就職活動に向けて企業研究や自己分析など少しずつ進めていきましょう」と先生は言っていたが、自分はそんなこと気にも留めなかった。なぜなら俺は既に「水族館の飼育員になる」という大きな夢を持っていたからだ。そして具体的にどういう道を進めば飼育員になれるのかを過去の先輩たちが残した報告書からある程度把握していた。

 とはいえ水族館業界は狭き門。なりたいと思うだけでなれるほど甘くは無いし、夢半ば諦めた人たちだって何人もいる。自分もなれなかった時のためにいくつか保険は用意しておくべきだなと思った。

 そこから数日後、zoomで記念すべき第1回「就職ガイダンス」が行われた。わざわざ説明するまでもないが、このガイダンスはこれから就職活動を迎えようとしているT海大学生に対し、どうやって動き出せばいいかを分かりやすく、丁寧に説明してくれるガイダンスだ。悪名高きマイ〇ビとリ〇ナビが主に仕切ってくれる。

 その日のガイダンスは就活サイトの使い方、今後のガイダンスの日程といった軽い解説から入り、中盤からは6月あたりから解禁される企業のインターンシップの説明が始まった。

 インターンシップとはいわば職場体験であり、それを経験することで会社の雰囲気を学べたり、社員の方と仲良くなることができる。特に後者はとても重要で、顔を覚えてもらうことができれば面接試験の際、大きなアドバンテージになるのだ。下手すればインターンに行った、というだけで即内定という会社もあるとかないとか。

 インターンが価値のあるもの…とは一応分かったが、先述した通り飼育員を希望している俺にはあまり響かなかった。

 ガイダンスの終盤、東静岡駅の近くにあるグランシップで静岡県内の企業が集まる合同説明会が近々開催されるということを聞いたので、とりあえず何かしら行動だけはしておくか…という軽い気持ちで俺はその説明会に参加することにした。

続く