はろの毎日

日々の成長

はろペン自伝 3部 その7

第9章「高校生時代(18歳)Aパート」

「春」といえば出会いと別れの季節であり、特に3月は後者の印象が強いだろう。期末テストを終え、もうすぐ春休みを迎えようとしたそんな時、俺はある一大コンテンツと不覚にも遭遇してしまったのだ。そしてこの出会いが後に俺の人生観を大きく変えていくということをこの時の俺はまだ知る由も無かった。

ある日、東京で一人暮らしをしているアニペンからLINEが来た。来たとは言っても俺たち2人はしょっちゅうくだらないことで会話をしているので別に驚いたわけでは無いのだが、この日送られてきた文章を読んで俺は自分の目を疑った。

「プリチャンやりたい」その一言で俺は「は?」と思った。どうやらその日アニペンはイオンでバイトをしていたらしく、休憩中に偶然訪れたゲームコーナーでプリチャンなるものをプレイしているユーザーを発見したとのことだった。

f:id:haro2019:20210130011805p:plain

「キラッとプリ✩チャン」とはタカラトミーアーツシンソフィアが共同開発したアーケードゲームであり、またそれを原作としたTVアニメのことである。社会現象ともなった「プリパラ」の続編と説明した方がわかりやすいだろうか。これ以上のことを説明しようものなら恐らくパートWくらいまで続いてしまうので、もし気になった方は是非自分で調べていただきたい。一つ言っておくと、「プリパラ」についてはまた触れるので楽しみにして頂けると嬉しい。

俺も女児アニメは一通り視聴しているキモオタなので、それがどんなアニメでどういったゲームなのかは大まかには分かっていた。しかも中3の時「アイカツ!」をプレイした経験もあったため、女児向けDCD(データカードダス)をプレイすることがいかに恥ずかしいことなのか俺は重々把握していた。アニペンのその一言に対する俺の返事は「絶対やらん」だった。

数日後、アニペンが帰ってきた。まだそのことを覚えていたアニペンはどうしてもやりたいと懇願してくるので俺は渋々近所のアピタへ向かうのだった。

f:id:haro2019:20210131172012j:plain

(写真は後日撮影したものです)

時刻は19時半くらいだっただろうか。そんな時間にはおもちゃコーナーにも当然ちびっ子達はいないのでとりあえず一安心といったところだった。面倒だったのは筐体を目前にしたアニペンがこんな時になって緊張で固まっていることだった。見てられなかった俺はこのまま不審者に見られるのも嫌なのでアニペンの財布から100円を抜き取り、筐体へ投入するのだった。

「プリチャン、オン・エアー!!」静けさ漂うおもちゃコーナーに響く声。そのあまりの大きさに俺はゾッとした。ちなみになぜこの手のゲームの音量がデカすぎるのかというと、本来の対象ユーザー(これなら女児)が多くプレイする時間は昼間であるため、音量をうるさいくらいに設定しておかないと賑やかな周りのノイズに筐体の声がかき消されてしまうからだ。台の高さも女児向けにしてあるため、大人がプレイするには膝を地面につけなくてはいけない。そこそこ身長の高い青年が2人で女児ゲーをプレイする姿はまさに不審者そのものであっただろう。

自分のアバターを作り、ライブをしてコーデをゲットする。最初は嫌々やっていたが、やってみると意外と楽しいものだった。俺がもともと音ゲーが好きだったのもあるだろうが、作りこまれたCG、その辺のスマホゲーにも劣らない演出、そしてプレイ終了時に排出される「プリチケ」などなど。絶対に自分からはやらないだろうが、アニペンがまた頼んできたならやってもいいかなとは思うようになった。

しかし、その日からアニペンは毎日俺を誘うようになった。頼んできたならいいとは思っていたものの、流石にこれはしつこすぎだ。...まぁ、アニペンの出費だったので仕方なく行ってやったのだが。

当時、6弾では初音ミクコラボがやっていたので俺は当面の間その限定コーデを揃えることを目標としていた。しかしこれがまたなかなか出てこないのである。いつの間にか俺は自身の会員証も作り、1人でもプレイするようになっていた。一度決めた目標は絶対に遂行する。そしてそれが終わればもう二度とこんなゲームはやるもんか。俺はそう自分自身に思い込ませ、プレイに没頭するのであった。

これがまさかあんなことになるとはね...

第9章「高校生時代(18歳)Bパート」へ続く。